パウダートピックス
4.連続鋳造用パウダーの主要物性
連続鋳造用パウダーを設計する際に、押さえておかなければならない物性
値について説明します。連続鋳造用パウダーの機能を十分に果たすためには、それぞれの機能に関連する物性値を調整
します。
溶鋼の保温については、粉体のかさ密度や、発熱材を添加する場合には、その発熱量が関係します。溶鋼の再酸化防止については、パウダーによって断気は
されるので、パウダーによる再酸化が無いように、塩基度などの適正化が
必要です。介在物の吸収については、溶鋼と溶融パウダーとの界面張力が主な支配因子です。鋳型と凝固した鋼の潤滑については、鋳型と凝固した鋼の間に
流入させるための粘度や凝固点が重要になります。鋼から鋳型へ向かう熱流束
の調整には、固相の割合を決める凝固点や、輻射伝熱に関係する結晶化が重要となります。熱伝導率については、大きな影響はありません。これは、パウ
ダーフィルムが薄いことと、その他の熱抵抗が非常に大きいことによります。